風水の基本「陰と陽」について

リリアン・トゥーは、この謎めいた陰陽のマークが、現代社会を行き抜くためにどれほど重要で役に立つか、についてお話します。


「気」という単語は「気持ち」「雰囲気」等のように私たちの暮らしに浸透しています。「気」は風水だけでなく、自然科学の奥義全体に関わっています。私達は気の流れの中で暮らしている、と同時に私達の体にも気が流れています。両者は直接的に関係しています。

「気」、つまりエネルギーは、私達が暮らしの中でイメージしたことを実現する全ての過程で存在します。
無意識レベルで、気は私達の生きるために必要な営みである呼吸、運動といった生命維持に大きく関わっています。
空手や気功をみれば、人が体内で気をコントロールしていることが理解できます。
風水では、気の調和、バランスが最も重要だと考えられています。気が高いレベルで調和していると幸運をもたらし、逆に住環境の気の調和が崩れた時は、トラブルが発生するといって過言ではありません。

人の体についても同じことがいえます。体内の気の調和が重要で、体の調和、調子、つまり体調の崩れが病気に発展します。
住環境、職場環境の気の調和の状態は、建物の設計、配置によって影響が変わります。方位や家具の配置がどのように気の調和に作用するかが、風水の重要なポイントです。

気は時間と共に移り変わる

加えて、気の調和は時とともに変化します。気は常に移り変わる、これが風水の基本原則です。気は動的で、時間とともに周囲から変化を受け、形を変えながら流れていきます。
気には時間的な変化があることを理解してください。風水の質を高めるために重要なポイントです。

陰陽と五行

気は白黒で円形の陰陽太極図のシンボルで表現されてきました。白い部分が「陽」、黒い部分は「陰」の気をあらわします。陰と陽が反転している図もあります。
陰は静、陽は動をあらわします。
陰陽どちらかの力が強くなると、もう一方は弱くなるバランス関係にあり、この相互作用は、宇宙全体の法則だと、古くから説明されてきました。

陰陽の移り変わりは６つの段階（上図「the　6 energies」）で表現されます。

この気の移り変わる段階は、五行をあらわす「水、木、火、土、金」（上図「the　5 elements」）とも相互に関係します。
６つの変化の段階と五行が相互作用することで万物が形成されていると考えられている、これが風水を使ってより良い暮らしをつくる基本です。

太極（たいきょく）範囲の大小

風水の様々な法則を適用して考える際、その法則が八卦のように時間的な変化が無いとしても、「太極の範囲」は意識しなければなりません。
「太極の範囲」とは、陰と陽の力のバランスがつくる範囲のことです。風水の法則を適用する範囲、太極を見きわめることは、熟練の風水師でないと難しいこともあります。
家の中の小さな部屋に風水対策をする場合、どのように考えるべきでしょうか？その部屋を１つの太極と考えても良いのでしょうか？家全体の風水対策をする場合には、家全体を太極と考えるので、大きな範囲の太極図をあてはめて考える、これは誰でもわかると思います。
１つの小さな部屋には、小さな範囲を太極としてあてはめます。これが太極範囲の大小という考え方です。
この考え方を理解し、生活空間を見きわめる目を養うことができれば、様々な風水の法則を適用することが簡単にできるようになります。風水の法則を選び、適用するには、太極範囲の大小の理解が不可欠です。
というのは、あなたが計算し、作成した風水の八卦図、八宅のチャート、トライグラムチャート、フライングスターチャート等、これらの作用する範囲がどこまでか判断することが必要です。
太極を理解すると、風水のチャートを、小さな部屋にも、家全体にも、町にも、都市にも、国にも適用範囲を応用して風水の法則を適用することができます。空間の普遍性に限界はありません。

例:

例として、あなたが恋愛運を高めたいとき、家の南西に水晶を飾る風水の対策をします。しかし家全体を見ると、南西が欠けています。または南西にトイレがあります。このような理由で風水の対策ができない場合どうしたらよいでしょうか？
この場合、家の中であなたが頻繁に利用する部屋で、さらに欠けのない部屋、例えばリビングのような場所を探し、リビングの南西に風水の対策を施します。これが小さな範囲に太極を適用する事例です。
ご理解いただけましたでしょうか。
家全体を１つの太極と考えるのは明らかですが、リビングという小さな範囲を太極とするのです。あなたがリビングを頻繁に利用しているなら、リビングの南西に風水の対策をすることで確実に恩恵を受けることになります。
他の部屋も同様です。
この小さい範囲を太極にする考え方を理解できれば、風水の応用力は飛躍的に高まり、あなたは驚くほどの成果を手にします。

図は風水の法則の中で最も基本的な「八卦の法則」をリビングに適用した例です。

もうおわかりですね。八卦以外の他の風水の法則も同様に「小さな範囲の太極」を適用して、住環境に良い気の流れをつくることができます。
風水では、リビング、寝室といった日々頻繁に利用する部屋だけに対策しても風水の恩恵を十分に感じることができます。
居住空間でない倉庫やクローゼットまで対策する必要はありません。インテリアの風水は、あなた自身がコントロールして、風水の恩恵を受けることができるのです。